東海興業精機株式会社 | 対談企画…

対談〜あいちで輝く女性たち〜 対談〜あいちで輝く女性たち〜

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多様性を尊重する現代において、社会テーマや旬のトピックを題材に、
東海興業精機社長の西田がゲストを迎え時代の変化と企業のあるべき姿を語る対談企画。
多様な人材を活かし、イノベーションを生み出し、価値創造につなげる経営が求められる現代を
さまざまな業界からのゲストとの対談を通してお届けします。

Dialogue #01

対談企画_第2回
ゲスト/角文株式会社 代表取締役社長 鈴木文三郎さん

角文株式会社は
文政6年(1823年)、木材の販売・建築を請け負う
「角屋」として創業し、令和5年(2023年)に創業
200年を迎える総合建設業・不動産開発業者です。
鈴木社長は1990年に五代目社長に就任し、「お客様
第一」「地域と共に」という企業理念を継承しつつ、
お客様からそして地域社会から必要とされる企業で
あり続けるべく、進取の精神を掲げ、「不易流行」の
実践をしています。

Q:なぜあいち女性輝きカンパニー認定を取得?

鈴木社長:実は、来年創業200周年という大変古い会社で
そういう古い会社であるからこそ、時代に合った新しいことにも
挑戦していかなければいけないと思いました。
一言で言うと「不易流行」という言葉を私は大切にしています。
これから優秀な人材を確保するためにも
あいち女性輝きカンパニーの認証を取得しました。
認証を取得する前の段階では120名に対して女性が9名くらいしか
いなかったんですけど、現在では130名中24名ですね。
ここ何年で女性の割合も、徐々に増えてきています。

西田社長:私たちも御社には全然敵わないんですけど、60年以上前から
経営している会社でして、製造業ということもあって非常に体質が古く
男性社会の会社でした。
これから日本の人口減少を考えると、男性だけでなく女性も活躍してもらえるような
会社にしなくてはいけないと思い、承認を取ろうと思いました。

Q:職場に女性が増えると、どんな変化が生まれる?

鈴木社長:最近は現場の職人さんたちも強面の人ばっかりではなく(笑)、
当社に女性の現場監督が2人いるんですけど、
彼女たちに対しても優しく接してくれています。
女性が現場にいることで、現場全体の雰囲気が柔らかくなっています。

西田社長:女性がいることで、男性が一歩引いて気を遣うっていうところがあって
良い風になったりしますよね。

鈴木社長:それは確かにありますね。
また、職場の環境も従来の工事現場って、
例えばお手洗いなんかも男女共用だったりしたんですけど、
最近は女性専用の綺麗な仮設トイレを設置したり、
様々な気遣いをすることで女性が働きやすくなっているという実感を持ってます。

Q:今後、女性の昇進は増える?

鈴木社長:正直いってまだまだ役員とか事業部長には女性はいないんですけど、
現在、課長代理っていう役職には女性が8名ほどいます。
誰が最初に課長になってくれるのかなということで楽しみです。

昔は、「女性は一般職、男性は総合職」という風に別れていたんですけど、
3年程前にそれをやめて「全員総合職」ということで、
現在は入社の時から男女給料も一緒です。
最近応募してきてくれる学生さんを私も面接させていただくんですけど、
正直言うと、男性より女性の方が優秀な学生さんが多くて(笑)

西田社長:当社も女性社員が増えてきて、
今まで女性がアシスタントではない形で設計職につくことがほとんどなかったんですけど
女性も設計士として採用を始めました。

まだ当社では役職についている女性はいないんですけど、
これから役職をつけてどんどんキャリアアップをしてもらいたいと思っています。
やはりキャリアをつけないと平等になっていかないですし、
そのためにはもともとの研修だったりとか、仕事の仕分けも含め、
変な意味での差別をしないことが大事になってくると思います。
力仕事などできないものは男性に任せても良いと思うんですけど
なるべく「できる、できない」を無くして、
同じ経験を積んで役職についてもらう環境づくりを現在しているところです。

Q:社員が仕事と家庭生活を両立するための工夫は?

鈴木社長:産休、育児休暇や時短勤務の制度です。
実際に1年くらい産休をとって、1人目が産まれしばらく会社へ出て、
今度2人目という流れで、今まで複数回産休をとられた社員が3名ほどいます。
復帰してからも育児のために朝ゆっくり出勤したりとか、夕方早めに帰ったりとか。
会社としても、制度としても、社内の雰囲気としても
「どうぞ早くお帰りください」みたいな感じです。

西田社長:女性が多いとそういった制度がとりやすいですよね。
男性だけですとどうしても理解できないところがあるかもしれないですけど。
女性がいると「そういうもんだよね」っていう新しい常識になってくるので。

鈴木社長:我々の建設業っていうのは
大体、土曜日は働いて日曜日だけ休みという現場の習慣があって。
雨が降ったりすると仕事ができないということもあり、
週休2日はなかなか定着しにくかったんですけど、
最近は発注者側である県や市も
「それでは建設業界へ就職してくる人が減ってしまう」ということで
あらかじめ工期のことまで考慮していただいたりしています。
まだ全ての現場ではないんですけど、
計画的に週休2日の徹底をして現場を進めるようになりつつあります。

西田社長:独身時代は良いんですけど、子供がいるとハードルが高いですよね。
やっぱり子供と過ごしたいし、家族と過ごしたいし、子供もお母さんと一緒にいたいし、
週末稼働はなかなか厳しいですね。

Q:今後、社会の中で企業のあるべき姿は?

鈴木社長:やはり今の時代の要請でSDGs、カーボンニュートラル、
そういったことに真剣に取り組んでいくことが必要であり、
これからやっていかないといずれ社会から認められなくなると思っています。
当社も2年前に「角文SDGs宣言」という簡単なリーフレットを作りました。
その時も4人のメンバーのうち3人が女性でした。
新しいことをやろうっていうよりも、
今まで会社としてやってきたことをSDGsに当てはめるとこうなるんじゃないの?
という整理をしました。

当社は足助の地区(豊田市)に山を持ってるんですね。
全体で言うと70万坪くらいあるんですけど、
その半分はメガソーラー(大規模太陽光発電)を行っている会社にお貸ししています。
残った半分の35万坪で、毎年春と秋に、
社員と社員のご家族で植林活動をしたり、間伐をしたり、林道整備をしています。
また子供さんたちは自然観察なども楽しんでいます。
色んな希少な植物や生物がいますので。

その他にも、蛍の幼虫を毎年育てています。
蛍を交配させて卵を産ませ、毎年2万匹くらい幼虫を育て、
地元の小学生たちと一緒に幼虫の放流会を行っています。

もう1つ、現在力を入れているのが、
知的障害があっても絵を描く才能がある子供たちの自立のお手伝いをしています。
素晴らしい色彩感覚や構図、そういった能力を持っている人たちがいるので、
アティックアートという団体に当社が協賛し、
毎年何点か絵を買わせてもらっています。
それでカレンダーを作ったり、マスクケースを作ったり、メモ帳を作ったり。
ノベルティとしてお客様に配布しています。

西田社長:障害のあるお子さんがいらっしゃるご家庭は、
どうしても家庭、特にお母さんの負担が大きくなってしまいますよね。
自立の機会を与えてもらうことによって
「子供も自立できるし、同時にお母さんも自立できる」っていうことが
重要になってきますね。

Dialogue #01

対談企画_第1回
ゲスト/深田電機株式会社 代表取締役社長 深田理恵さん

深田電機株式会社は
電設資材の総合商社として電気設備全般を扱い、
近年は「ZEBプランナー」登録をして
環境ソリューションや補助金の
コンサルタントも行っています。
深田社長は2005年に3代目社長に就任し、
社員の幸せの追求と地球環境への貢献を経営の柱とし、
「子育ては人間の重大案件」をモットーに
女性の活躍を推進しています。

Q:なぜあいち女性輝きカンパニー認定を取得したのか?

深田社長:女性経営者の愛知ソフィア会というのがあり、
愛知県に面倒を見ていただいておりまして、そこからの繋がりです。
当社の場合は、8割が男性社員で、
その当時は育児をしている女性社員もいなかったんです。
「そうだ、パパをまず応援しよう!」と思ってイクメン休暇制度を作りました。
子供のいるパパは月に1回有給を取って育児参加をしましょう!と。

西田社長:男性の育児休暇はどれくらいの取得率ですか?

深田社長:これは強制なんです。
必ず月に1回取りましょうっていう決まりです。

西田社長:当社自体63年続いている会社で就業規則が非常に古いもので、
そこからまず変えていかなくてはいけないと思ったのですが、
自分たちで変えていくのは非常にハードルが高くてどこから変えるべきかを考えた時に
銀行の方からあいち女性輝きカンパニー認定があるということを聞いて、
だったらサポートしてもらいながら改善していこうと思いました。

深田社長:便利ですよね。
愛知県がやってくださるととても便利ですよね、我々経営者にとっては。

西田社長:やらなくちゃいけない環境なんだよっていうことが伝えやすい部分があって。

深田社長:そうそう!当社も「制度ありき」。
まず形から作ろうと思ったんですね。

Q:女性社長に対する反応はどうですか?

西田社長:最初に私が当社のトップになった時が32歳だったんですけど、
やはり「若い女性」ということで、
男性社会の業界で非常に社員の方は驚いたと思います。

深田社長:私どもの業界もベースが建築業界ですので、まさに「男性社会」なんですよね。
私がどこへ行っても大体が紅一点ですので、自分も男だと思ってましたね(笑)
男っていうか、逆にあまり女性であることを意識しなかったです。

西田社長:どこにいても女性が一人なので、
結構皆さん覚えてくださって。

深田社長:そうですね。覚えてくださいますね。

Q:働く女性としての苦労はありますか?

深田社長:西田社長はまさに今育児真っ盛りで
私から見たらすごい大変だと思うんですけどいかがですか?

西田社長:妊娠中が私は一番辛くて、
想像していた以上に自分の身体が動かなかったんです。
当社の役員、スタッフが「気にしなくていいよ」っていう雰囲気を作ってくれて。
今の組織があって役員、スタッフのサポートがあって私は乗り越えられました。
これから女性が一般の社員であっても同じ環境を
つくってあげないといけないなと痛感しました。
子育てになってからは、
朝起きてから夜寝るまで自分の時間が全くない状態になってしまったのが
最初はストレスではあったんですけど、
仕事をすることで意外とストレスが発散できるんだなって新しい発見でした。

深田社長:私の時代は「子育てはお母さんのもの」
パパは全く関与しないような時代でしたから。
母が面倒を見てくれたりしまして、その辺で助けられ乗り切れました。

Q:女性の活躍に必要なことはなんですか?

深田社長:周りの人たちの理解、特に男性の理解ですね。
仕事だけしていれば何の問題もないんですけど(笑)
女性の場合は、仕事+家事+育児、または介護と。
それを全部1人の人間がやるって大変なことなので、
やはり周りの人たちの「理解と協力」に尽きますね。

西田社長:会社の規定を変えるのはそんなにハードルは高くないと思います。
文章を変えるだけなのでそこは難しくないんですけど、
やはり周りの意識改革が今でも結構ハードルが高いですね。
「女性が働きやすい」+「お給料も上がる」そうでないと両立ができないんですよね。
生活費、さらに教育費もあるので、全ての社員がそれを理解し、
「役職を与え責任を任せる環境」が重要だと思います。

深田社長:女性の場合、「私は出世なんて望みません」、
「部下を持つような立場にはなりたくありません」って
どうしても思ってしまうんですよね。
私が会社経営の中で今悩んでいるのはそこですね。

西田社長:そうですね。
そこは教育で変えていくしかないのかなと思います。
女性が役職を持たないという選択肢がこれからはもうないんだよっていうことを
役員(リーダー)だけでなく社会も言ってもらわないと
なかなか意識が変わらないと思います。

深田社長:そうですね、やはり意識改革ですね。

Q:今後どのような人材が求めらますか?

深田社長:人間としてどういう方かということを見て、
入社していただいてどんな活躍をしていただくのか。
役職に就くのが男性なのか女性なのか、それはたまたまだと思います。

西田社長:会社も今までも昭和の働き方から
アフターコロナの働き方へ変わっていかないといけないと思います。
自分の人生の楽しみと働く時間を
うまく両立できる人材がこれから求められると思います。

Q:今後の企業の在り方は?

西田社長:企業が設備投資をして社員の生産性を上げることが
今後の日本の大きな課題だと思います。

深田社長:当社は2000年から環境問題に重きを置いて
「for your life, for our globe」をスローガンとして掲げています。
1つは、環境問題に貢献できる会社、
もう1つは、当社の社員も含め皆さん(社会全体)の幸せ
を追求する会社を心がけております。
子育ては国の未来、人類の未来ですよね。
これはどんな仕事よりも優先すべきことだと思っていますので、
みんなで協力してやらなければなりませんね。

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